SkyrimRP記 ただの盗人が英雄になる話 04 「盗人、マンモスの牙を探しに行く。そしてイヴァルステッドへ向かう」

The Elder Scrolls V : Skyrim

一夜明けて。

エセルのことはリディアがある程度知っていた。
というのも、キナレス聖堂に住んでいる変な治癒師ということくらいだったが。

アニリン「……取り敢えず、今日はマンモスの牙を探しに行きます」

エセル「うむ、マンモスの牙か」
リディア「なんでまた?」
アニリン「昨日酒場で頼まれちゃって」

昨晩のこと。
バナード・メアで偶然相席したイソルダなる女性と盛り上がったアニリン。

アニリン「へー、イソルダさん、商人になりたいんだー」
イソルダ「ええ。それで、カジートキャラバンのリーダーの一人、マドランに言われたの。マンモスの牙を持って来たら、商人になる手助けをしてくれるってね。言うのは簡単だけど、マンモスの牙よ?」

マンモスの牙。
はたと、アニリンは過去に商家から盗み出したことがあったことを思い出す。
無論、そのものは既に売り払い、彼女の手元にはないのだが、酒に酔った彼女は何を思ったのか、またすぐに手に入ると勘違いしたのだ。

アニリン「良かったら、私が探してきますよー、それくらい」
イソルダ「本当に? ありがとう、吉報を待ってるわ」

アニリン「と、いうことがあってね?」
リディア「従士様、昨夜は何杯飲んでいたのですか?」
アニリン「……覚えてません
リディア酔った勢いでそんな話を安請け合いしないでください」
アニリン「ごめんなさい……」

アニリン「兎も角、マンモスの牙を探しに行こう。あなた達二人の実力も見ておきたいしね」
エセル成程、腕が鳴るな!
アニリン無駄に元気だなこの女……

そんなこんなで、平野へ繰り出したアニリン達。
マンモスの牙といえば、マンモスを狩らねばならない。
そうなると、当然行く先は決まっていた。

アニリン「いや、無理ッッ!!!!

この近辺でマンモスが居る場所といえば巨人の棲み処である。
そしてそこに居るマンモスは巨人の家畜のようなものであり、つまるところマンモスへの攻撃は巨人との敵対を示していた。
巨人に攻撃を仕掛けるなどソブンガルデ行きの特急券を買いに行くようなものだ。

エセル「そうだな……じゃあ、街で小耳に挟んだ噂だが、あそこに行ってみるか?」

アニリン「あそこがそう?」
エセル「ああ、間違いなさそうだ」

エセルが聞いたという話を頼りに、辿り着いたのはホワイトラン近くの横穴。
どうやらその場所は密輸人達のちょっとした拠点のようで、それらしい山賊達がうろついていた。
なんでも、あの密輸業者がマンモスの牙を扱ったことがある可能性があるらしいのだ。

まずアニリンが弓矢で遠くから山賊を排除した。
その後横穴の中を調べていると更に山賊がやってきたが、リディアとエセルがあっという間に片付けてしまった。

アニリン「……で、山賊5人やっつけて、お金になりそうなものはこれだけ?」

アニリンスクゥーマじゃん! 禁制品じゃん! ルートがないと売れないじゃん!
エセル「そうか? アルカディアの大ガマ辺りで普通に買い取ってくれるぞ」
アニリン「えっ、スカイリムではスクゥーマって禁制品じゃないの?」
エセル「あまり合法的ではないのは確かだが、厳しく取り締まられているわけでもないな」
リディア「衛兵の目の前でやり取りしたりしなければ大丈夫ですよ」
アニリン「そうなんだ……」

禁制品でないなら、あまり高くは売れないかもしれない、と少し肩を落とすアニリン。
何より、この横穴にはマンモスの牙はなかった。

エセル「ここにないとなると……ホルテッド・ストリームの野営地か?」
アニリン「何それ」
エセル「マンモス猟をしている連中が居る。いや、勿論合法的じゃないが……」
アニリン「牙が手に入るならそれで良いよ。行こう」

アニリン「あれが野営地?」
エセル「ああ」

確かにマンモス猟をしているようだ。

見張りの山賊達を弓矢で片付け、塀の中へ侵入するアニリン達。

アニリン「うーん、ないね」
リディア「鉱山があるようです。その中かもしれません」
アニリン「ん、じゃあ入ってみよう」

アニリン「なんか油臭い……」
エセル地面に油が溜まっているようだな」
アニリン「……そうだ」

天井の明かりを油に落下させて山賊達を焼き殺す。
火で傷を負いながらも向かってきた山賊長。難なく調理。

アニリンあった!

アニリン「こんなに沢山あれば、イソルダさんに渡した残りは全部売り払ってお金に出来るね!」

山賊達がどうやってマンモスを狩っていたのかと思えば、落とし穴を使っていたらしい。

そして夜、バナード・メアにて。

イソルダ「折角だし、私が身に着けた取引のコツも教えてあげる」
アニリン「どんな?」
イソルダ「例えばね、……」

取引のコツをイソルダから教わり、更に話術のスキルに磨きがかかったアニリン。
寄り道的な頼まれ事も済んだので、本来の目的であるグレイビアードからの呼び出しに応じる為、イヴァルステッドへと向かう準備を始める。

アニリン「そういえば聞きたいんだけど、エセル」
エセル「なんだ? 愛の告白ならもう少しお互いを知ってからにした方が良いぞ」
アニリンんなわけねーだろ。あなたの特技の話よ」
エセル「ああ、なんだそんなことか。どうかしたのか?」
アニリン「あなた戦う時に破壊魔法かなり使うよね?」
エセル「そこそこな」

アニリン「使い魔召喚するよね?」
エセル「うむ。可愛いだろう?」

アニリン「メイスと盾で戦うこともあるよね?」
エセル「魔法は接近されると弱いからな」

アニリン「……あなた職業は何だったっけ?」
エセル「治癒師だが?」

リディア(魔法戦士の間違いでは?)
アニリンこの女なんで治癒師やってんだろう……

そんな話もしつつ、翌朝。
世界のノドに居るというグレイビアードを訪ねる為、ホワイトランを旅立つアニリン達。
遠くに聳えるあの高い山がその目的地である。

アニリン「さぁ行くぞーっ!」

気合十分なアニリンであったが、山へ入るとそこは危険がいっぱい。
山道の川を跨ぐように聳える砦の前を通ろうとするといきなり通行料を要求された。

アニリン「いやー、困りますよ。どうか、50ゴールドくらいに……」
エセル「おい、山賊。タダで通らせてくれればお前をこのメイスの錆にしなくて済むんだがな?
リディアそんなことを私達にさせないでくれるかしら? お互いの為にも、ね?
アニリン「ちょっ……」
山賊「か、考えてみたら、そうだね、それがフェアってもんだね。行きなよ、誰も気付かない内にさ」

といった具合で威圧すると素通りさせてくれる山賊。

エセル「こういうのは素直が一番だ」
アニリンこの女ほんとになんで治癒師なんだろう……

その後もサーベルキャットを始末したり、謎の暗殺者を返り討ちにしたり、街道を突っ走ったアニリン達。
夕方にはイヴァルステッドに到着したのであった。

アニリン「着いた、イヴァルステッド!」
リディアハイ・フロスガーへ登る道は村の奥のようです」
アニリン「ん。じゃあ今日は入口見に行って、明日登ろうか」
リディア「そうしましょう」

登山道の入口まで行ってみると、そこで何やら話している二人組。

クリメク「ん? あんたもハイ・フロスガーに上るのか? 俺もあそこに届け物をしてるんだ」
アニリン「届け物?」
クリメク「ああ。グレイビアードに食料をな。大体干し魚と塩漬け肉だ。長持ちするからな」
アニリン「グレイビアードからは何かもらってるの?」
クリメク「うーん、そこは合意の上ってやつかな。少しの保存食でカネを取るのは悪い気がするしな」
アニリン「ふーん……」
クリメク「問題は、俺の足が昔のように動かず、七千階段を上るのがしんどいってことだ」
アニリン「あ、じゃあ私行ってあげてもいいよ。登んないといけないから」
クリメク「本当か? それはありがたい」

アニリン「ん、りょーかい。気を付けることとかある?」

アニリン「そんなに難しくないってことね。分かったわ、じゃあ、明日早速持って行くね」
クリメク「ああ、頼んだよ」

そんな依頼を請けつつ、宿屋へと向かうアニリン。
食事をし、ベッドを借り、ゆっくりと休むのであった。

次回へ続く。

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