時は第4紀201年――ノルドの多くが信仰する神であるタロスの信仰を禁じた白金協定。
これに反発する、スカイリムのウルフリック・ストームクロークは反乱軍「ストームクローク」を率いて蜂起した。
帝国はこの鎮圧の為、スカイリムに帝国軍を送り込む。
内戦の様相を呈するスカイリムに、ハンマーフェルから一人の女が国境を超えて侵入する。

アニリーネ。またはアニリン。
シロディール、ハンマーフェルで数々の盗みを働いた盗人であり、ハンマーフェルで逮捕されていた彼女が、故郷のスカイリムへと戻ってきたのだ。
無論、彼女の目的はただの帰郷ではない。
アニリン「内戦に乗じて一稼ぎ出来そう!」
そうしてスカイリムへと帰ってきた彼女は、路銀を稼ぐ為、早速見かけたストームクロークの野営地に盗みに入る。
しかし、そのストームクロークの部隊は、帝国軍の待ち伏せを受けていたのだ。

帝国軍にストームクロークと揃って捕まってしまったアニリン。
ただ、どうやらストームクロークの連中はアニリンが盗人だと気付いていない様子。

ロキール「そういやそこのあんた、ストームクロークじゃないな?」
アニリン「あー、うん、まぁねぇ」
ロキール「……何をしたんだ?」
アニリン「いや……強いて言うなら、あそこに居合わせた、かな……」
ロキール「そうか……災難だったな」
アニリン「そっちこそ、あんなとこに盗みに入ったばっかりに、災難だったね」
ロキールとお互いに同情し合うアニリン。
ふと、ロキールが向かいの男に目を向ける。
何故か彼だけが口に猿轡を付けられ、喋れないようにされているのだ。
ロキール「こいつはどうしたんだ?」

なんと、同乗者の喋れない男はストームクロークの指導者ウルフリック・ストームクロークその人だというのだ。
ロキール「なんてこった! それじゃこの馬車はどこへ行くんだ!?」


アニリン「えっ、死刑!? まだまだ稼いでないのに!?」
ロキール「ショール様、マーラ様、ディベラ様、キナレス様、アカトシュ様、とにかく神様お助けぇ!」
などというコソ泥二人の情けない心情を他所に、話は進んでいきます。






アニリン「お願いしたら許してもらえたりしないかな……」




アニリン「(; ゜ д゜)……!」
なんと、逃げようとしただけであっさり殺されてしまったロキール。
アニリンも同じことをすれば同じように殺されるのは火を見るより明らか。



アニリン「おっ、私リストに入ってないんですね? これは死刑回避では??」

アニリン「ええええぇぇぇぇっ!!?」


アニリン「おかしいでしょ!? おかしいでしょ!!? リストにない人間をなんで処刑しちゃえるんですか!?」

アニリン「違うぅ! 私は違いますぅ!!」

アニリン「責任感! そう、責任感ってものはないんですか!? 無関係の人間を処刑していいんですか!?」
喚くアニリンは全く無視され、刑は粛々と執行されていく。

……どうやらうるさすぎたようだ。
ストームクロークの囚人達より先に、アニリンが呼ばれた。

アニリン「やだー! やだー! 誰か助けて! 誰か……ん?」

アニリン「うわっ!? ドラゴン!?」
突如来襲したドラゴンによって大混乱に陥る処刑場。
気付けば執行人はどこかに行ってしまい、周りの帝国兵はみんなドラゴンに攻撃を始め、アニリンは完全に放置されていた。
アニリン「何だかよく分かんないけど助かった!」




そこからは塔を上って、壁に開いた穴から倒壊した宿屋へ飛び、

状況がよく分からないまま帝国軍のハドバルに助けられ、





逃げ込んだ砦の中で拘束具も解いてもらって、晴れて自由の身(?)に。

愛用していた武器が取り上げられたまま行方不明なので、鉄の剣をその辺から拝借するアニリン。
ハドバルも緊急事態なので許してくれるらしい。


アニリン「そうだね、この緊急事態なら協力出来るかも……」


駄目でした。
説得に応じず、問答無用で襲いかかってきたストームクロークの兵士達を斃し、下の階へ。







ハドバル「みんな砦を出なきゃならん!」
拷問官「坊やに何の権限があるっていうんだ?」
アニリン「もう行こうよ、ハドバルさん」
状況が全然読めないベテラン拷問官を置いて、二人は更に先へ。





拷問部屋の奥は洞窟に繋がっていた。
アニリンとハドバルは途中、ストームクローク兵を斃しながらも進んでいく。






そして、ついに――

アニリン「やっと外に出たぁー!」
ハドバル「ドラゴンも行ったようだ。だが戻ってくるかもしれない。一番近いのはリバーウッドだ、俺のおじさんも居るし、そこへ行こう」





そしてリバーウッドに到着。


ハドバルの伯父、アルヴォアに状況を説明。
どうやら食事と寝床も提供してもらえるらしい。

アニリン「スカイリムに帰ってきて早々とんだ目に遭ったけど、何とかやっていけそうね……」
こうして、盗人アニリンの波乱の旅が幕を開けたのだった。
次回に続く。
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